第20章 柱稽古とお館様
本当のところを知りたいような知りたくないような……そんな気持ちを抱えながらも杏寿郎と義勇の手合わせはしっかり見学させてもらった。
後から追い掛けてきた圭太や、その更に後から追い付いた他の剣士たちも一緒にだ。
まさかの総動員だったので柱2人はもちろん驚いていたが、静かに見守っていたので怒られることはなく、むしろ杏寿郎には
『向上心が見受けられる!感心感心!』
と言われてしまったので、純粋に今後の糧にと考えている更紗や圭太以外は少しいたたまれなくなり、真面目に見学しようという考えに至らせた。
そして夕餉の席では柱2人が好物に舌鼓を打ち、一般剣士たちは夕刻に見た杏寿郎と義勇の剣技に花を咲かせたのだが……
「杏寿郎君。私、杏寿郎君にお伺いしたいことがあります」
やはり悲しい予測がチラチラと頭を過り、こうして杏寿郎に直接聞いてみようと相成ったわけだ。
一方杏寿郎も見学を終えてから更紗がずっとソワソワしていたので、こうして2人の寝室で腰を下ろした途端の突然の質問に
(二つ名のことか……それとももう1つの件か)
と心の準備は万端である。
「なんだ?そんなに改まって」