第4章 ギフト
「すまなかった。どうか泣かないで欲しい」
煉獄さんは眉をハの字にして、私の背中を労るように撫でた。
彼からはもう、先程までの怖さを感じない。
強張っていた身体から力が抜けて、鼻を啜りながら涙の跡を拭っていると・・・。
グウゥゥゥキュルルルルゥ~・・・
突然、なんとも間の抜けた音が鳴り響いた。
それも私のお腹から。
まるで時が止まったかの様に、私と煉獄さんは無言で見つめ合う。
「「・・・・・・」」
先に反応を示したのは私で、サッとお腹を押さえて目を逸らした。
ブワッと顔が赤くなる。
「・・・っ」
煉獄さんがお見舞いに来てくれる日は、いつも食事の量を減らしている。
何故って彼が私に美味しいお菓子をくれるから。
余り動かない人間が間食をすれば太ってしまう訳で。
だから今日も朝食は少なめで、昼食を取らず時計の針が二時を過ぎれば空腹にもなる。
キュルルルルルゥ~・・・
追加だと言わんばかりにまた腹が鳴った。
穴があったら入りたい。
「はははっ・・・!よもやよもや、元気な腹の虫だな!」