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loop-ループ-いつか辿り着く世界【鬼滅の刃】

第4章 ギフト



「それ、は・・・」

それは何かと訊ねようとした瞬間、脳裏に様々な描写が浮かんだ。
道場で巨大なひょうたんに必死で息を吹き込む炭治郎君達。
私に「今日の見舞いの品だ」と巾着袋を差し出して笑う煉獄さん。
木刀片手に笑顔で鬼畜な指導を行う煉獄さんと、泣き叫ぶ善逸君。
手の平に乗る、淡いピンク色の花の形の乾菓子。
突進してくる伊之助君と、彼の足に踏みつけられた巾着袋。

「お花の、お菓子・・・?」

ポツリと呟いてから、私はそっと巾着袋を手に取った。
袋の口を開くとそこには、今しがた自分の口から漏れた言葉通りの物が入っている。

そうだ、私はあの時煉獄さんからこれを受け取って、中身を一つ食べた。

「え、と・・・煉獄さんから、お見舞いの品で頂いた様な・・・?」
「うむ!ちゃんと覚えていたな!」
「でもこれ、踏まれて崩れちゃった筈じゃ・・・?」

あれ?
でも私、煉獄さんにお菓子を頂く前に気分が悪くなった様な?
じゃあ、あれはいつの事?

頭の上にいくつもの『?』が浮かぶ。
自分の中の記憶の糸が不自然に途切れて上手く繋がらない。

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