第48章 最後の合宿
「名前、そろそろ全員食べ終わっただろう。持ってきてくれ」
『あいよー』
「私も手伝うよ!」
『さつきは先お風呂入ってきて、覗きがあると困るから』
「名前ちゃんは?」
『後で行く』
征十郎の言葉にはてなマークを浮かべる人が多い中、傷つけたくないのでさつきをお風呂に行くように促し準備していたものを取りに行く
その持ってきた物を長いテーブルの上に規則性が無いよう置いていき、注目の意を込めて腕を上げた
『はーい。じゃあこれから手作りのデザートがあります!』
「名前っちの手作りっスか!?」
『涼太いい質問だね
この中にはあたしが作ったデザートと、さつきこと桃井が作ったデザートがあります』
「は!?さつきのデザート!?」
『ちなみにさつきのは7割、あたしのは3割です。征十郎、あとよろしく』
「ああ。そこで選択肢が広い最初を1年に譲ろうと思う。その次は2年だ。各自取りに行ってくれ」
「ちょっと待て赤司ィ! さつきのしか残んなかったらどうすんだ!」
『これは去年とは全く違う肝試しだよ 残した奴はさつきのもう1杯ね』
「おい!」
『レギュラーは最後で!食べ終わった人から部屋戻っていいよー!』
2年生以上は「去年の方が良かった!」という顔をしているが、1年生は理由が分からず困った表情をしている
あたしのせいで変なイベントに巻き込んでしまって申し訳ないと思いながら、きっと今年でこのイベントも終了だから楽しんでくれと謎の気持ちが入った
「名前ちんとさっちんが作ったのなら、見た目に違いがあるんじゃな~い?」
「紫原!それなのだよ!」
『制作は各自、盛り付けは全てあたしが担当しましたー』
「クソッ!どうすりゃいいんだ!」
力強く机をたたく大輝を見て深刻な状況だと悟ったらしい1年生は恐る恐るデザートを選ぶ
だが1口食べてだけで勢いよくぶっ倒れた彼を見る限り、さつきのを取ってしまったのだと容易に想像はできた