第21章 黄色と紫と一緒
鏡の前でリボンをキュッと締めて、この制服を着るようになって1年が経過したことにしみじみする
昨日準備をして確認まですべてやったため、忘れ物など特にないだろう
玄関を開けるとどこからか桜がひらひらと散っていて、少し歯痒い気分にさせた
『…行ってきます』
今日は朝から仕事で誰も居ない広い家に、ぽつりと呟いた
『はぁ…』
昨日涼太から来た「同じクラスになれると良いっスね!」と言うメールから始まった終わりの見えないメールのやりとりせいで、かなりの寝不足となってしまい眉間をつまむ
始業式だけで朝練がなくてよかったと、しばらく歩いていると紫髪の巨体と接触して、バトル…ではなく会話を始まった
「夏はプールの授業あるからねー」
『スクール水着嫌だなぁ』
「オレはサイズ探すの大変だから助かるー」
『外国の探せばあるでしょ』
「そうなんだけどー学校指定だからさー」
やっぱり探すの面倒じゃーん?と言う紫原の手には珍しくお菓子が何もなく、どこか不思議に思っているとその表情に気づいた紫原は説明をし始めた
「あのねー、最初の日だからしっかりしろって先生から言われたからー」
『…いや普段は良いと言う方が変だと思うよ』
「んー、まあ良いじゃーん」
『…それは先生達によるんだけども』
まず髪が赤に黄色に緑に青に紫にピンクと灰色、さらに髪の色が茶色く変化していくあたしに何も言わないし
この間緑間がラッキーアイテムだからとゲーム機を持ってきていたが何も言わず。とどめはスカート丈だ
短いのも人それぞれだが「短すぎじゃね!?」って思う人もいるが何も言わない
紫原とさらに明るくなった自分の髪を見て溜め息を吐く
考えることを忘れるように頭を横に振り足を学校へ進めた