第29章 目覚め

「テメェは潰しとかなきゃなァ!!」


宇髄が可楽の腕を斬り落とし、すかさず胴体を両断する。


ぬかった!!

だが、儂の再生速度の方がこの人間たちより上のはず。



炭治郎が体勢を立て直し、積怒に向き直る。

同時に積怒の腕が再生し、取り返した錫杖を構える。



向かってくる炭治郎を後目に、積怒の錫杖は彼を通り越して、玄弥に向かって飛んでいく。


童、次こそ息の根を止めてやる。


＄＄＄



水獄鉢に囚われた時透は、内側から壁を破ろうと、無理な体勢から刀を繰り出したが、弾力のある壁に阻まれる。



ぐに。

駄目だ、斬れない。



肺に残っている空気でまだ一撃出せるはず。


「霞の呼吸・壱ノ型　垂天遠霞」



ぐにぃぃぃ。

駄目だ。この水の壁は伸びるばかりで破れない。