第23章 芸術作品$
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「杏寿郎様!!」
「君は出てくるな、この鬼は俺が対処する!!」
煉獄が前に出て鬼が何処にいるか、辺りを警戒する。
ことり。
白藤の足元に壺が転がる。
ヒョッヒョ、また餌が自らやって来た。
この娘、鬼のようだが、鬼狩りと行動を共にしておる。
実に気に食わぬ!!
だが、鬼狩りのあの様子。
余程この娘を気にかけている。
それに喰うには惜しい美貌だ。
そうだ、この娘を我が作品に!!
ごぷ。
足元の壺から液体が零れ出し、白藤の足元に触れる。
ぬちゃ。
「!!」
何、この粘液。
気持ちが悪い。
ゾクッ。
何これ、麻痺毒?
ダメだ、視界が回る。
ぐらっ。
「っ……」
杏寿郎様……
声も出せぬまま、白藤はその場に倒れ込む。
音がしなかったのは、玉壺が白藤の足元の壺に移動して、彼女を捕まえたからだ。
「ヒョッヒョ。これは極上の素材。どうしてくれようか、まずは…」
「その人、どうするつもり?」