第23章 芸術作品$
ブワッ。
しまった。
白藤が可楽の葉団扇で彼方へ飛ばされる。
その行く手を可楽が追う。
かなり、飛ばされた。
どうしよう。
受け身をとれない。
落下の覚悟を決め、ぎゅっと目をつぶった。
温かい?
「無事か?藤姫殿!」
落下する所だった白藤を煉獄が抱き止めた。
「杏寿郎様!?何故此方に…」
甘露寺様と任務に行かれた筈では……?
「うむ。任務に向かう途中、鴉から里が襲撃されたと聞いて、舞い戻ったところだ。間に合って良かった」
「杏寿郎様、私の近くにいてはなりません。今、鬼が…」
「大丈夫だ。俺たちは鬼を狩るのが仕事だからな」
何か今キュンとした。
やだ、甘露寺様じゃなしに…
「杏寿郎様、来ます!!」
「そんな顔をするな。大丈夫だ、藤姫殿は俺が守る!!」