第80章 家族の形$ 其の二
肩周りを解しながら伸びをする。
「ふう。少し休憩しましょうか」
私室の為他者の返事はない、それでも彼女には返事が聞こえている様な気がするのだ。
すぐ横で亡き姉が『頑張りすぎよ』と頬を膨らませている気さえする。
本当に、ここに居ないと分かっていても、私はまだ時折こうして姉の影を追ってしまう。
「しのぶ様、失礼しても宜しいでしょうか?」
アオイの声で我に返り、しのぶは私室の扉を開けた。
「よっ!」
「…………」
アオイの横で火男面の男が右手を上げて陽気に声掛けしてくる。
さすがに呆気に取られてしまい、しのぶは状況を理解するために数秒かかってしまった。
「アオイ、これはどういう経緯かしら?」
そしてその矛先がアオイに向けられるのであった。