第79章 燃ゆる想いを$(冨岡裏)
確かに、我が子は可愛い。
でも、ぎゃーぎゃー泣かれるとどうしていいのか分からなくなる。
この腕の中に収まる小さな命が白藤との愛の結晶なのだと理解はしている。
けれど……
生まれてから三月経った今も夜泣きは続いている。
定期的に乳をあげ、せっせっとおしめを取り替える白藤がほんの少しだけやつれて来たようにも見える。
そういえば三日前、蝶屋敷に訪れた際、女医二人に中出しは出来ないが、同衾の許可は出すと言われたのだ。
確かに性欲も溜まっている。
けれども、ゆっくり寝かせてやりたいのも事実。
どうしたものかと、冨岡は頭を抱えた。
「お、冨岡。久しぶりだな!」
「宇髄」
「白藤。元気にしてるか?」
「少し痩せた。赤子の夜泣きで」
「あー、それな。こっちも雛鶴の目の下に隈できてるぜ」
どこも一緒か。