• テキストサイズ

鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第75章 祝福の白は青と交わる$(冨岡裏)


「アオイ、大丈夫?」

「カナヲ……」

「あのね、炭治郎たちがね……後でここに来て、皆で祝勝会をしたいって言ってて……」



祝勝会。



戦いに行ってた皆からすれば、お祝いなんだろう。

でも、私みたいな半端者からしたら……



「祝勝会、おめでたいけど、ここは蝶屋敷だから。治療中の人も沢山いるし……だから、会場は藤の屋敷にしたらどうかしら?」



押し黙ったカナヲを後目に私は調理を始める。



本当は判断するのは私じゃなくて、胡蝶様なんだろうけど。

炭治郎さんは多分、全員を巻き込んでお祝いしようとするだろうから……

その時きっと、私はみんなの輪の中には入れない。


同じ隊服を着ていても、私は鬼と戦う恐怖から逃げた人間だから。


生き残りたくて必死で走って、最終選別は山を逃げ回って生き延びただけの腰抜けだ。


この気持ちは、きっと善逸君くらいにしか分からないだろう。


彼は凄く大きな声で喚きながら、逃げ回っていたっけ……


それでも、あの決戦で彼は生き延びた。


立派な隊士だ。



「アオイちゃん、カナヲちゃん、久しぶり!!」

「善逸さん……」



善逸が伊之助を連れて、蝶屋敷へやって来たのである。


/ 1979ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp