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鬼滅の刃R18 藤の花嫁(冨岡夢)

第70章 咲くは朱なれど散るは白


「白藤!!炭治郎!!戻って来い!!皆お前達のことを待ってる!!」


冨岡が力の限り叫ぶが、二人は反応しない。


その影で、蘆屋道満が刀印を結び、呪を唱えようとした。


「戯言を……オン、キリキリ……」

「させるか!降伏!!」


無惨の背後に居る龍神から雷(いかずち)が放たれる。


黒龍は金晴眼で蘆屋道満を睨め付け、雷を次々と繰り出していく。


無惨もまた憎き蘆屋道満を屠(ほふ)るが如く、追撃の手を緩めない。


「鬼舞辻、貴様ぁ!!」


苛立った蘆屋道満から怒号が飛ぶ。


禍々しい眼光をこちらに向け、蘆屋道満は再び懐から何かを取り出した。


「貴様など恐るるに足らん。天津神、国津神……」

「貴様に詠唱はさせない!!」


無惨が再び蘆屋道満に向き直り、黒龍を差し向けるが、先程の様に雷を出さなくなってしまった。


「どうした!」

「黒龍一匹に何が出来る……」


さも愉快といった風情で高笑いをしながら、蘆屋道満は手にした掌大(てのひらだい)の小さな髑髏(しゃれこうべ)を用いて再び呪を唱える。


「禍物(まがもの)よ、禍者(まがもの)よ、我が声の元へ集え!!」


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