第70章 咲くは朱なれど散るは白
「竈門少年!!君はそれで良いのか!鬼に身を落としてまで、君は何を望んだ!!」
煉獄の声は、それでも炭治郎に響かない。
「無駄だ、煉獄。そこを退け!!蛇の呼吸 弐ノ型 狭頭の毒牙!!」
伊黒が炭治郎に攻撃を仕掛けようとする。
ギャリィ。
伊黒の刀が回り込んできた影によって防がれる。
剣筋を読まれた……
「時透!邪魔立てするな!」
「伊黒さんこそ、何故そうまでして炭治郎を始末しようとしてるんですか!」
「奴は鬼に身を落とした。柱ならば!鬼を滅するのが道理だろう!!」
伊黒の主張は正しい。
ただ、時透と同様に戸惑う者達が多いのも事実である。
鬼となった者はたとえ味方といえど斬り伏せる。
それが鬼殺隊の決まりであった。