第16章 僕があなたに望む好き/那月(うたプリ)
少しの隙を見つけたら。
それは絶好のチャンス。
「ななしちゃん!」
「うわっ」
「やっぱりななしちゃんは可愛いです」
ななしちゃんは、普段なぜだかそこはかとなく気を張りつめてて、抱き締めようと腕をのばしてもするりと逃げていってしまう。
けれどたまに、隙がある。ほんの一瞬、ななしちゃんをとりまく空気が緩んだ瞬間。
こうして、腕のなかに閉じ込められる。
「なっちゃん離して……」
「もう少し、もう少しだけ」
「じゃ、せめて力緩めて……」
少しだけ呆れたような言葉に、必要以上に力を込めていたことに気付き慌てて力を緩めた。
ななしちゃんはほっと一息。……苦しかったのかな、と反省する。
でも交差した腕は外さない。
まだまだ、可愛いななしちゃんを抱き締めていたいから。
「……なっちゃんてば、ほんとに『可愛いもの』大好きだよねー」
「はい!ななしちゃんも可愛いから大好きです」
苦笑混じりの言葉に迷いなく即答する。
本心からの言葉を。
僕の、気持ちを。
「そっかー、ありがと。私もなっちゃんのこと大好きだよー」
「本当ですか?」
「うん。なっちゃん大好きー」
大好き。
ななしちゃんもそう言ってくれた言葉に、心が踊る。
嬉しい気持ちが表情にまでにじみ出て、ついつい笑顔になってしまった。
――でも。