第1章 協奏曲 ─concerto─
【智side】
ちょっと生温いお水が、喉を滑り落ちていくと。
霞みがかったようにボンヤリとしていた頭が、ようやくクリアになってきた。
いやさ…
途中でヤバいっては思ってたんだよね…
だって俺
普段は烏の行水っての?
すぐに逆上せちゃうから
お風呂なんてさっさと出ちゃうんだもん
でもぉ♡
俺のフェラで超絶気持ち良さそうな翔ちゃんの顔が可愛くって
んで、とんでもなくエロくって
もっともっと気持ちよくさせてあげたくって
ついついノリノリでやった結果がこれだよ…
せっかくの記念日だったのに…
って、実はちょっとだけ落ちちゃってたんだけどさ…
翔ちゃんの口から水が全部俺の口に流れ込んじゃっても、翔ちゃんが離れる気配はなくて。
誘うように、そのぷるぷるの唇を舌先でぺろっと舐めてやったら、翔ちゃんは一瞬だけピクッて身体を固くして。
でも、すぐ後に火傷しそうに熱い舌が、俺のなかに入ってきた。
「んっ…」
わざと煽るように声を漏らすと、力強い腕がぎゅっと俺の背中を引き寄せて。
俺も逞しい背中に腕を回すと、キスがもっと深くなって。
歯列を舐められたり、激しく舌を絡ませられたりすると、また頭がボーッとしてくる。
でも、それはさっきまでのとは全然違うくて。
翔ちゃんのくれる甘い疼きに、脳ミソ全部支配される感じ。
俺んなか
ぜーんぶ翔ちゃんで埋まってく感覚
もっとも
普段から俺の頭んなかは翔ちゃんでいっぱいだけどねっ!
「ん…ふ…ぁ…」
翔ちゃんがくれるキスが、気持ち良すぎて。
一度冷めた身体が、また熱くなってくる。
ついでにアソコにも、ぐんぐん熱が集まってくる。
もう我慢出来なくて、すっかり硬くなったソレを翔ちゃんの腰に押し付けたら。
ふ、って笑う気配がして。
ゆっくりと、唇が離れていった。
「なに…?」
すぅっと細められた目は、時折顔を出すちょっぴりSな翔ちゃん。
そういうとこも、好き♡
「早く…欲しいよ…」