第1章 協奏曲 ─concerto─
【翔side】
この大切な日に、智くんを連れてきたいって思っていたホテル…喜んでくれてよかった~
最近キャンプにハマって、暇さえあればキャンプ動画を見ているから…きっと気に入ってくれるって思ったんだ。
しかも、ホントにキャンプに行くって約束までさせられた。
俺にとって未知の世界だけど…
きっと彼と一緒なら、何をしてても、どこにいても、楽しいって…そう思う…
そう思う俺は、相当重症なんだろうけど…
まあ、キャンプに行くまでに本とか読んだりネットで調べて、基礎知識入れとけば何とかなるかな?
「ねえ~!翔ちゃん!ジャグジー入ろうよ~♪」
「え?ああ…」
バーベキューの残骸を少しだけ片付けていた俺に、智くんのはしゃいだ声が届く。
最上階にあるこの部屋には、大きなジャグジーバスが付いている。もちろん室内にも風呂はあるんだけど…
折角だから、入ってみたいじゃん~?
見ると、ジャグジーの横で、パッパと服を脱ぎ捨てて、あっという間に真裸になった智くんは、そのまま風呂に突入した。
「わあああぁ~っ!!超気持ちイイ!翔ちゃんも早くおいでよ~!!」
……ったく…
ガキじゃね~んだからさ…もう少し、雰囲気っていうかさ…
そう思いながら少し近付くと、ジャグジーの下から照らす青白いライトの中…微笑む智くんが……
………
……お前さ…なんか、エロいんだよ…
青白いライトの波に身体を投げ出し、縁に両腕を置いて、その上にちょこんと顎を乗せて俺を見上げる智くんは、息をのむほどに美しく…
俺の中に欲情の灯を灯した。
「…気持ちイイよ♡」
「……」
ハート♡までつけやがって///
確信犯なの、分かってるくせに、俺はすっかり彼の思惑通りな訳で…
ズボンの前がきつくなっていた。