第5章 さぁ、何をお作りしましょうか?
“ 週刊雑誌 MONDAY ”
芸能ニュースの発信源だ。
だが実際は、嘘か誠か分かったものではない 悪趣味なゴシップ記事が並んであるだけに過ぎない。
しかし俗世に生きる人々は、このような雑誌を好む。そして 記事の内容を間に受けたり、記事になった人間を叩き上げたりする。
要は、そうした刺激に踊らされたいのだ。
そうした理由から、我々 芸能の世界にいる人間は、こういう雑誌を意識しながら活動せざるを得ない。何が命取りになるか分からないからだ。
「あ、そいつ 撮られてたな。そういえば」
楽が私の肩口に腕を乗せ、体重をかけてくる。そして私が目を通している記事を覗き込んだ。
『はい。事務所は発言を控えていますが、やはり叩かれるでしょうね』
私は自分の上に乗せられた、楽の腕をそっと押しやって言った。
その記事の内容は…。顔が良く 女性人気が高いアイドルが、1人の女性と腕を組んで自宅から出てくる所を激写された。というもの。
こういう類の記事を見ると、得も言われぬ不安感が押し寄せてくる。
…うちは、大丈夫なのだろうか。と!
『と、いうことで。皆さんの女性関係を教えて下さい』
「…春人。お前 本当に分かりやすいな。どうせその記事見て、俺達は大丈夫か?とか思ったんだろ。何が と、いうことで。だ」
楽は、私の考えを見事に当ててみせた。
「ボクはクリーンだよ」
「俺も、女性関係で…そういう雑誌に撮られるような心配は、無いな」
天はサラリと告げ、龍之介は照れながら言った。
そう。彼はエロエロビーストなんて周りからは言われているが。
中身はピュアピュアシープだ。