第65章 月みたいな人
※
濡れて尖った舌先が、露わになった乳頭に優しく触れる。早く触れて欲しかったそこは、たったそれだけの刺激でピリリと快感を走らせる。
『んっ…!は、ぁ』
手のひらの中に包まれた乳房が、左右から力を加えられては形を変える。甘くて優しい刺激だけを与えられ続け、もどかしさが募った。
1番触れて欲しい先端も、相変わらず強く触れては貰えていない。舌先でツンツン突かれるだけ。早くもっと激しくして欲しくて、ピンと切なく尖っていた。
『て、ん…!もう、それ…やだ』
「ん…、気持ち良くない?」
『そうじゃ、ないけど…』
「じゃあ、どうして欲しいの?ボクはあまり、こういう事に慣れてないから。教えてくれる?キミの言葉で」
『っ……もっと、して欲しいっ』
「ふふ、可愛い。いいよ」
天は満足そうに微笑むと、口を開いて パクりと含んだ。一気に温かな口中に乳頭が包まれて、全身がしなる。
ちゅうっと音を立てて吸い上げられ、軽く歯が当たる。これを計算の上でやっているとしたら、なんという熟練された手練手管だろう。
『ふっ、あぁ…っっ!』
「腰、浮いちゃってるよ」
言って、下腹部に手を伸ばす天。服の上から下肢の間をなぞられる。水気を含んでいた秘部からは、また新たに蜜が溢れるのが分かった。
「…そうか、こんな気持ちになるものなんだね…」
『は…はぁっ、…天…?』
「もっと、エリの乱れた顔が見たい。もっと、キミを気持ち良くしてあげたいって気持ちが、溢れてくるんだ」