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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第65章 月みたいな人





ベットの上へ ふわりと下されれば、すぐにまた唇が塞がれた。
ゆっくりと舌先で歯列を破られて、そのまま口中を愛撫される。


『…っん』

「………は、…」


2人の、すっかり上がった息遣いだけが、静かな部屋に響いている。
彼の手がするりと胸元に下りて、シャツのボタンを片手で器用に外していく。

綺麗な形をした指が…乳房に触れた。


『っぁ…』


天は、空いた方の手で私の頬を包み込む。そして、じっと瞳を覗き込んで来た。


『…な、なに』

「キミの、そういう顔。やっぱり良いなと思って」

『なっ、なんっ』


胸にあてがわれていた手が、再びやわやわと動かされる。堪らず私は、また眉間に皺を寄せる。
感じている顔をまじまじと観察され、快感を与えられるのだ。


「いつもキミは、澄ました顔ばかりしているから。乱れた表情が見られて嬉しい。
ねぇ、もっと見せてよ」


きゅっと、最も敏感な先端が摘まれる。私の嬌声に、乱れた表情に、天は口端を上げた。

天はきっと、こういう行為に慣れていない。いざとなれば私がリードを。
なんて、いらぬ考えだったと思い知らされる。まさかこんなふうに翻弄されるだなんて。予想していなかった。

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