第1章 花信風 滝澤 /平子
私と有馬特等が話していると、丈さんが私の隣に来て
「お疲れ様です…有馬さん」
「タケ、この間ノーフェイスと交戦したらしいじゃないか」
「はい」
「腕の1本くらい持って帰れば良かったのに」
「…はあ、そうですね…」
丈さんのこんな顔普段見れないから、ちょっと良いな~って思い、つい笑う。
丈さんがすーんって顔をしていて、そんなこと気にも止めてない様子の有馬特等。
この2人いいバランスなんだな。
地味に無茶振りをしてる有馬特等、天然なのかな?
丈さんはこの人とコンビ組んでたからどんな状況でも冷静なのかななんて考えてた。
みんなでわいわい食事をしながら、貴重なお話を聞いたりで楽しく過ごした。
心の中にあるモヤを消し飛ばすように。
琲世さんが
「これは!なんと!さんが作ってくれた手作りケーキですよおお!!」
と、少しばかりハードルをあげながら持ってきたケーキにみんなが喜んでくれて、才子ちゃんや什造先輩が私に抱き着いてくる。
丈さんも隣で食べていて、顔を見たら目が合って「うまい」と呟いてくれた。
その直後
倉元さんが「ケーキより甘い物見ちゃったかも!!」とか言ってたのを無視した。