第1章 花信風 滝澤 /平子
今日は報告会ということで集められた。
篠原班と法寺班、それと亜門上等。
亜門上等にはアカデミーの頃よく御指導して頂いていたので、お久しぶりですとご挨拶をした。
「亜門上等、だ。昨日からうちの班に新しく配属になった。色々教えてやってくれ」
「はい!はアカデミーの頃よく質問をしに熱心に僕のところへ通ってくれていたのでよく存じてます」
「そうか、それは良いな」
「亜門一等、こちらでもどうぞよろしくお願い致します」
私はぺこりとお辞儀をした。
滝澤先輩の憧れの人、亜門上等。
亜門上等と話す時の先輩は目がキラキラしていて控えめに言っても可愛い。
会議が始まろうとする頃、扉が開いた。
「!」
私は驚いた顔をする滝澤先輩の視線のその先を見つめた。
「真戸先輩!!」
私の声に真戸先輩の美しい瞳がこちらを向いた。
「おー、じゃないか、久しいな」
「お、お久しぶりです!!」
「真戸…」
「滝澤も元気そうだな」
「お前たちみんな知り合いか?」
私たちのやりとりに亜門上等が問いかけてきた。
滝澤先輩は少し言いにくそうに
「同期っス」
と、言うと亜門上等に篠原特等がこっそり耳打ちをしていた。