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星降る丘【NARUTO】

第6章 海辺のバレンタインデー


波の国の任務から戻りしばらく経った頃、非番のわたしは買い物に行くために商店街へと足を向けていた。

すると、「サク!」と声をかけられる。

振り向くとそこには紅さんが立っていた。

「紅さん!お久しぶりです!」

紅さんはカカシ先輩の同期。
綺麗で、色っぽくて、強くて、わたしの憧れの人。
暗部に入る前は一緒に任務をこなすこともあった。

「久しぶり。
今日、休みなの?」

「はい!紅さんは?」

「今任務終えて、報告に行ってきたとこ。
久しぶりだし、よかったらお茶しない?」

「行きます!!」

ここ数日、バレンタインのことでモヤモヤしていたわたしは、二つ返事で承諾する。

近くの茶屋に入って、それぞれお団子とお茶を頼む。

「暗部に入ってもうすぐ一年かぁ。
あっという間ね。
もう、すっかり慣れた?」

「はい!
先輩も厳しくも優しいですし……」

そこまで言ってカカシ先輩を思い出し、口を噤んでしまう。

「何?元気ないじゃない」

「あの、告白しようとしてそれを遮られるのって、やっぱり眼中にもないからでしょうか……」

「何?アンタ、カカシに告白したの?」

ビックリして大きな声を上げた紅さんの口を塞いで、慌てて周囲を見回す。
周りには知っている人はいなさそうで、ホーッと息を吐きわたしは座り直した。

あれ?てかわたし、カカシ先輩だって言ってないよね??

「なんでカカシ先輩だってわかったんですか!?」

「え?だってアンタの顔にカカシが好きだって書いてあるもん」

「え!?」

思わず顔を手で覆う。
しかも前にハナにも言われたことを思い出し、顔が蒼白になる。

「わたし……、そんなにわかりやすいですか?
自分で気づいたのも、わりと最近なんですけど……」

「そうなの?
ずっと前から好きなのかと思ってた。
お祭りでも手、繋いだって言ってたし」

飲んでいたお茶が変なところに入り、思わずむせる。

「ぐっゴホ、ゴホゴホ!
なっ、なんでそんなこと知ってんですか!?」

「噂んなってたもん」

全然知らなかった……!!

紅さんは面白そうにわたしを見つめる。

「で、告白しようとして逃げられたんだ」

「……はい。
バレンタインのとき、チョコ渡していい雰囲気だったから思い切って言おうとしたら、話題変えて無かったことにされました……」
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