第2章 潜入任務 上
「いいじゃん。
同じ班だしいっぱい一緒にいれるし!」
「でも、任務の時もドキドキして困る…。
挙動不審になっちゃうし…。」いきなりハナがわたしをぎゅーっと抱きしめる。
「何!この可愛い子!!」
「わっ!」
体重をかけてくるから勢い余ってベンチから落ちそうになり、必死で踏みとどまる。
「いいじゃん!初恋でしょ?
存分にドキドキして楽しみなよ。
いやー、いいねー。」
うんうん勝手にうなずいてるハナの体を押してなんとか起き上がり、はぁ、とため息をつく。
「そう、かなぁ。」
「なんかあったら力になるから、ま、いつでも言いなよ!」
「ありがとう。」
「うん!」
任務があったので、そこで話を終え、ハナと別れて暗部の本部へと急ぐ。
本部に着くと、先輩がベンチに座って1人本を読んでいた。
さっき話題になっていた人が目の前にいて、話しかけるのに緊張してしまう。
すると、向こうから気付いて「よ。」と手を挙げてくれる。
「お疲れ様です。
三代目はまだですか?」
「そうみたいね。」
当たり障りのない会話をしてると、三代目が入ってきた。
「2人ともご苦労。
早速今回の任務だが…。
ツーマンセルで潜入任務だ。」
「潜入…ですか。」
「うむ。
最近コハクという街で怪しい金の動きがあるらしい。
どうも、大名屋敷からその街に麻薬が大量に流れていると言う情報があるんじゃ。
なのでお前たちにはその麻薬の流れを突き止めてほしいのじゃ。」
「ですがその任務なら、暗部でなくてもこなせるのでは…。」
先輩が冷静に返す。
確かに。
調べるだけなら普通の忍でも十分務まりそうだ。
「それがの、どうもその大名がその得た金で、ビンゴブックに載っているSランクの忍びを秘密裏に何人も雇っておるらしくてな。
戦闘になったときのために、精鋭を送りたい。
頼めるか。」
「「はい。」」
三代目はうなずくと、
「尻尾を掴むには長期になるかもしれん。
里から通うにはちと遠い。
住む家を手配してあるから、明日から早速頼む。」
と詳細の巻物をカカシ先輩に渡し、部屋を出て行く。