第50章 存在の定義
「このカバ野郎めが!そんなに旗を守りたきゃずっとそこで守ってろ!」
「止めとけよその辺で……!」
再び暴れ出そうとしたワポルを止めるべくサンジが走り出す。
得意の足技をふるおうとした時、背中がものすごい音を立てた。
「ぐぅっ!!」
「イったか背骨…当然さ暴れすぎだよ」
その様子を見ていたDr.くれははため息を吐きサンジに駆け寄る。
助けるかと思いきや、勢いをつけ高く飛ぶと思いきりその背中に蹴りを入れた。
「ドクターストップ!!」
「ぐはぁっ!!」
先程よりも大きな音を立て背骨がイく。
完全に沈黙したサンジを見て、ワポルは得意げな笑い声を上げた。
「まっはっはっは!何をしてるんだおめェらカバ共が!見物していろ奴らを塵に変えてやる!」
ルフィを襲った大砲がサンジとDr.くれはを狙う。
そのことに気付き、チョッパーはワポルへと拳を振り上げた。
「やめろォ!」
ワポルを捉えるかに思えた拳はチェスマリーモによって阻まれる。
初めて”人”に対して振るった拳を、チョッパーは固く握りしめた。