第50章 存在の定義
一方ドラム城の門前で何をしているかといえば。
とうとう辿り着いたワポルがルフィたちと対峙していた。
「ドラム王国憲法第一条『王様の思い通りにならん奴は死ね』!
__これがこの国の全てだ。なぜならこの国はおれの国で、この城はおれの城だからだ…!」
両手を広げ高々とワポルは宣言し、手に大砲を展開する。
「よりによってあんなヘボ医者の旗なんぞ掲げるんじゃねェよ!城が腐っちまうぜ!!」
狙いを定め撃ち放った弾は翻る旗に命中した。
城の屋根に括り付けられていた旗が、爆発の衝撃で根元から折れ吹き飛ぶのをルフィは見た。
「何してんだお前…ドクターのドクロマークに!」
途端チョッパーが駆けだす。
捕まえようとする合体戦士、チェスマリーモの股下をくぐりぬけ、人型となったチョッパーはワポルへ組み付いた。
「ドクターは!お前だって救おうとしたんだぞ!」
拳を握り殴ろうと振りかぶる。
__恨むなよ、人を。
__この国は病気なんだ。
叩きつける寸前、ドクターの声が甦った。
握り込む拳が迷いで揺れる。
「おれは…お前を殴らないから、この国から出て行けよ!」
「何言いだすんだいチョッパー!そいつが説得に応じる奴だとでも思ってんのかい!」
「だって…やっぱり……!」