第4章 夕虹
Satoshi
体が……動かない。
……指すら動かせない。
ああ……俺、行かないと。
……どこにだっけ……?
……待ってるやつがいる……
……誰……だっけ?
ふわふわして考えがまとまらない。
俺は、俺の上で動いてるやつをぼんやりと見上げた。
下半身が熱い……
……俺……今真っ最中……?
突如、ぐんとつきあげられた刺激に、
「……あ……っ」
背中がのけぞる。
ポタリと俺の頬に何かが落ちてきた。
ぼやける視界のなか、必死で目を凝らした。
「……サト」
ニノ……?
「サト……サト」
泣いてんの……?
思った瞬間、体を大きく揺さぶられた。
高く抱えあげられた足が揺れる。
突き上げるような快感に、声が漏れでる。
「んあ…………あっ……ぁ」
「サト……好きだよ……大好き」
「はぁ……ぁ」
俺……ニノに抱かれてんの……?
なんで……?