第2章 本編 幸せの青いルフ
「メローザ」
「ロクト」
私たちは同時に名前を呼び合った。
目を合わせただけで、お互いの考えていることが理解出来た。
私たちは歩み寄り、ロクトは剣を投げ捨て、私は短剣の片方を渡した。
一体何をする気だ、と周りから声が聞こえるが、もう関係ない。
「メローザ、僕は優しくない。君のような善人じゃない」
「そんなことないわ。私、貴方のさりげない優しさが大好きよ?」
「・・・じゃあ、ずっと一緒にいてくれるかい?」
「もちろんよ、ロクト。・・・私も聞くけど、私だって優しくないし、何も出来ない。本当に私でいいの?」
「もちろんだよ、メローザ。絶対に傍にいる」
私たちはお互いの愛を確かめ合うと、地に膝を付け、短剣を自分の腹に突き立てた。
私の手は震えていた。正直とても怖かった。
「メローザ。必ず探し出して迎えに行くから、これを目印にしてくれ」
彼はそう言って、自分の腕につけている金色の腕輪を見せた。ルフの形の飾りがついていた。
「じゃあロクトは、これを目印にしてね」
私はそう言って、銀色のルフの形のネックレスを見せた。
これでもう安心だね、と二人で笑い合う。そして・・・・・・・・・
二人同時に、探検で自分を刺した。
視界が眩む。激痛が走る。私たちは意識が無くなる前に、
手をしっかりと繋いだ。
そう、私たちは、心中する道を見つけたのだ。
どちらかが死ねばいいのなら、どちらも死んだっていいだろう。
こうすれば、二人一緒に生まれ変われる。一緒に幸せになれる。
そうだよね?ロクト。
私たちは手を繋ぎ、一緒に幸せになれる場所へ向けて歩き始めた。