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きみを想う

第12章 贈り物


 少し開いたカーテンから差し込む光が眩しくて、目が覚める。
隣を見ると、カカシがまだ静かな寝息をたてて眠っている。

年上のカカシに可愛いなんて変かもしれないけど、無防備でどこかあどけないカカシの寝顔は、なんだか可愛い。
触れたくなるけど、忍だからか、カカシは眠りが浅くて少し触ると起きてしまったりする。
だから、ただ息を潜めて見つめる。

もっと見ていたいけど、そろそろ起きなきゃな。
カカシは昨日、日が変わるまで働いていたし、もう少しこのまま寝かせておこう、とそーっとベッドから抜け出そうとすると、腰をぐっと引き寄せられてベッドに引き戻される。


「わっ!!
カカシ、起きたの?」

「あんなに見つめられて、顔に穴開いた」

カカシが眠たげに目は閉じたまま、口元に笑みを作る。

「開かないよ」

クスクス笑うと、カカシが肩を抱いてさらにわたしを引き寄せる。

「すずらん、誕生日おめでとう。」

そう。今日6月5日はわたしの誕生日なのだ。

「ありがとう」

カカシの目が開いて、グレーの瞳と目が合う。

「カカシまだ眠いでしょ。
もうちょっと寝てなよ」

「やだ。
今日は特別な日だから、ちょっとでも時間無駄にしたくない」

嬉しいけど、カカシは今日を休みにするために、最近無理して仕事を詰め込んでいたから、ちょっと心配だ。

「そんな心配しなくても大丈夫だよ」

「わっ!」

グシャグシャと、大きな手で頭を撫でられる。

「今日はすずらんを一日中お姫様扱いするから、覚悟しといて」

そう言ってカカシがちゅ、と軽く口づける。
色素の薄い肌、端正な顔立ちに、一切の無駄を削ぎ落としたような身体。
どこか色っぽく微笑むカカシが、カッコ良すぎる。
一緒に暮らし始めて1ヶ月が経つのに、未だにカカシにドキドキしっぱなしの自分がいる。

ぽうっとなってしまっているわたしの顔を両手で挟んで、カカシがさらにわたしの顔を覗き込む。

「返事しないと、もっとキスしちゃうよ?」

顔を傾け、さらに顔が近づく。
少しカサついた唇があと5センチで触れる。

「ん、もっとして」

もっと触れたくて、カカシの唇を指でなぞって、わたしから口付ける。

一瞬触れて離れた唇。
自然に閉じていた目を開けると、少しビックリした顔のカカシと目が合う。


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