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きみを想う

第10章 初夜


クスクス笑いながら、カカシがわたしの首筋に顔を埋めて口付ける。

「ん…っ!」

ピクリと反応したわたしにカカシが満足そうに微笑む。

「すずらんもいっぱいオレに触っていいよ。
だから、オレもすずらんの全部、触らせて…」

「うん…」

あとは、ただカカシの腕の中で、カカシの愛を一身に受けた。



眩しさを感じ、目が覚める。
隣を見ると、カカシが規則正しい寝息を立てて眠っている。
下半身に鈍い痛みを感じて、昨日のことを思い出す。

カカシはどこまでも優しかった。
ひとつになれたときは、嬉しくて涙が出た。
こんな幸せがあるんだと、初めて知った。


「昨日のこと思い出してる?」

「きゃっ!」

急に声をかけられ、ビクッとなる。

い、いつの間に起きたの!?

「お、思い出してない!!」

恥ずかしくて咄嗟に嘘をつく。

「えー、うそだ。
エッチな顔してたもん」

カカシを見ると、いつもの意地悪な笑顔。

「そんなことないよ!」

顔に熱が集まるのがわかる。

ギュッとカカシがわたしを抱き寄せる。

「オレは今思い出してる。
昨日の可愛かったすずらん」

耳元で揶揄うように言われてさらに顔が熱くなる。

「あはは。すずらん顔まっ赤」

「もー、からかわないで!」

胸を押して、カカシの腕から逃れようとするが、カカシが力を込めるからかなわない。

「ごめんごめん。
すずらんがあまりにも可愛かったから、ついからかいたくなっちゃった」


ふいにカカシの手がわたしの頬に優しく触れる。

「体、辛くない?大丈夫?」

本当に心配そうに聞いてくれる。
意地悪言ったかと思えば優しくなって、わたしはカカシに翻弄されっぱなしだ。

「うん。平気」

ニコッと笑うと、カカシがもう一度わたしを腕の中に閉じ込めて、目と目を合わせる。

「すずらん、オレの奥さんになってくれて、ありがとう」

カカシがわたしのおでこに優しく口付ける。

「カカシ…」

思わずポロリと涙がこぼれる。

わたしもちゅ、とカカシの頬に口付ける。

「ずっと一緒にいようね」

カカシがすごく嬉しそうに微笑む。

「うん」

朝の光の中で、わたしたちはもう一度愛を確かめ合った。
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