• テキストサイズ

きみを想う

第10章 初夜


触れたい…。カカシに。

自分の思ったことに、赤面してしまう。
女の子がこんなこと思うの、変なのかな…。
全てが初めてで、よくわからない。
お姉さまに、ちゃんと聞いとけばよかった。

ため息をついて、ドレスを脱いで、部屋着に着替える。
わたしも汗を流したいから、着替えを出してカカシが上がるのを待つ。

今日のために買った下着をカバンの中から出す。
ピンクの小花のレースの上下。
パンツは両端がリボン結びになっている。

ちょっと可愛すぎたかな…。

そのときガチャっとバスルームのドアが開く音がして、慌てて着替えのワンピースの下にその下着を隠す。

「おかえり」

変に意識してしまい、声が上擦ってしまう。
いつも通りにしたいのに…。
濡れた髪から水を滴らせながら、ラフな格好になったカカシがこっちにやってくる。

「ただいま」

いつも通りニコッと笑ってカカシが言う。
もう、格好よすぎるよ。

まともに目が見れなくて、「じゃあ、わたしもお風呂入ってくるね!」と逃げるようにバスルームに行く。

すべてを洗い終え、湯船に浸かる。
桃色の入浴剤の入ったいい匂いのお風呂。

平常心平常心…。

念仏みたいに何回も唱える。
でも全然効果がなくて、落ち着かなくて泣きそうになりながらお風呂を出る。

服を着て、そっとドアを開けると部屋にカカシはいなかった。
よく見ると、ベランダの窓が開いていて人影が見える。

「カカシ…?」

窓まで行きそっと呼びかけると「あ、おかえりー」とカカシが笑う。

「ちょっと涼んでた」

「うん」

カカシの手がわたしに伸びてくる。
必要以上にビクッとなってしまう。
カカシの手がわたしの髪のひと房を取る。

「髪、まだ濡れてるよ。
風邪ひいちゃう。おいで」

そう言うと、わたしの手を引いて、ドレッサーの前に座らせる。
そして、わたしの後ろに回るとドライヤーを出し、乾かしてくれる。

カカシの大きな手が、髪をすきながらわたしの頭を撫でるように触れるのが気持ち良くて、目を閉じる。

「すずらんの髪、サラサラで気持ちいい」

「わたしはカカシの手が触れるのが気持ちいい」

「ほんと?じゃあ、いつでもやってあげる」

「ふふ。嬉しい」

カカシがカチっとドライヤーを止める。

「やっとすずらんが笑った」

「え?」
/ 105ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp