• テキストサイズ

【アクナイ】滑稽でも君が好き【短編】

第2章 拝啓、ロボットさんへ【イグゼキュター】



「待って!!仲間だよ!!」

「!!す、すまない…」


中にいたのは機械が一台と前衛オペレーターが一名、保護対象者が一名だった。


「イグゼキュターさん…あー来てくれてよかった…」

「勢力がこちらに傾いています。すぐに退却を」

「了解。ランセット、移動開始だ」

「<了解しました>」


後はこの場からの脱出。そして要人をドクターの所へまで護衛。

全てが順調………ではなかった。


「さくら、怪我を」

「え!?」


彼女の右手の甲からは赤い血が滴り落ちていた。左手で抑えているものの、それは意味を成していないほど次々に溢れている。


「さっき、俺を庇った時か…!すまない、俺が気を付けていれば…!」

「…掠り傷程度だよ」

「馬鹿…!何故言わなかった!?毒でも仕込まれていたら…と、兎に角ランセット、治療を頼む!」

「<かしこまりました。さくら様、こちらへ>」

「うん、ありがとう。ランセットちゃ……ッ!!」


気の抜けた空気に飲まれ、完全に油断していた。
本当は、辺りを警戒するべきだった。

突然見開かれたブラウンの瞳が後ろを見た瞬間に大きく開かれ、血に塗れた右手で掴んだと思えば強く引いたのだ。
まるで、立っていた場所を交換するかのように。


その刹那、聴覚は呻吟する声を捉えた。


/ 65ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp