第33章 𝐋𝐎𝐂𝐔𝐒 *
体が重なり合うと
お互いの腰に手をまわして
ゆっくりとしたインサートを繰り返す。
「ケンジ、もう限界だ……。
いつも澄ました顔のお前が
俺の下で乱れている」
「お前はいつ、俺に惚れたんだ…?」
「初めて見た時からだ。
築き上げていた自分が嫌になるくらい
お前を愛してしまった」
セクシーな息遣いのエリック。
この男は刺し合うつもりで
復讐を遂げるつもりだったのだろう。
ケンジと出会う前までは。
「俺に興奮して我を忘れろよ」
「ああ、ケンジ。
俺とずっと一緒にいてくれ。
俺には、
お前しかいない……ッぐ──」
「っ……」
深く打ち込まれたところから
温かいものを感じる。
エリックは快感の余韻を味わっているのか
気だるげな目を向けて、
ぼんやりと青い瞳で見下ろしてきた。
「大丈夫か? 苦しかったか……?」
「ううん。お前の色っぽい顔に
見惚れてた」
「そんなこと言われたら
また元気になるだろ」
「知ってる」
「もう一回いい?」
「今度は一緒に」
「何度でも」
二人は愛おしむように唇を重ね合わせる。
朝の日が昇るまで
何度も何度も
離れ離れの時間を埋め合わせるように
深く深く愛し合ったのであった。