第17章 親友の涙
俺は湊が好きだ。
湊も同じく俺が好き。
赤司はユウが好き。
ユウは…俺が好き。
「だがしかし俺は元既婚者で…」
千恵美という嫁を貰った。
ほかに女がいた時も
ユウは変わらずに俺の傍にいてくれた。
友として祝福してくれて、
感動してくれて、
笑って喜んでくれた。
ユウは俺が好き?
「あったま硬ぇなぁ!
大体アンタはSEX上級者かも知んねぇけど、
恋愛は初心者だからな!
一途…って言葉、知ってるか?
兄貴はずっとバレねぇようにして来たんだよ。
俺は速攻分かったけどね。
ずっと兄貴は隠してた。
アンタと友達でいたかったから。
アンタは女しか相手にしなくて、
兄貴は女には敵わないって分かってたから。
…アンタは片想いしたことなんてねぇから
一生掛かっても分かんねぇだろうけど、
アンタが口にする優しさも
励ます仕草も
冗談のつもりの接吻でも、
全部兄貴にとっちゃ悲愴でしかねぇんだよ!!」