第13章 夏の終わり
「...照れたんじゃない? 」
『え!? まさか! 』
「あ、これ、舞衣ちゃんのお皿。あと箸。」
『あっ、ありがとう! 』
私もようやく玉ねぎを全部切り終えた。
みんなも準備が終わったようだ。
合宿最後。
沢山並べられたお肉。
バーベキューだ!
みんなが一斉にお肉に飛びつく。
お腹減ったなあ!
「おいしい。 」
『ねー! おいしいね! 』
清ちゃんの目がキラキラしてて可愛い。
青空の下で食べるのが予想以上に美味しい。
自覚なかったけどお腹減ってたんだって思う。
「おつかれー! 飲み物持ってきたけど、ある? 」
『あ、ない! ありがとー! 』
「何飲むー? 」
かおりちゃんが、2リットルペットボトルを3本も抱えて持ってきてくれる。
「さっき木葉が話しかけてたでしょー。なんか言われなかった? 」
『え? 全然だよ? でも、代わろうかって言ってくれたよー。優しいね! 』
「あはは! アイツそんなこと言ってたの? 」
緑茶を紙コップに注いでくれながら、かおりちゃんが笑う。
『木葉くんと、仲良いの? 』
「んー? フツーだよ? まぁ、高1からの付き合いだしねー! 」
『...好きになったりとか...』
「あはは! ないない! この前からどうしたの? 」
『いやー...私の気持ち、迷惑かなあって思って...。』
「えぇ? そんなことないでしょ? 」
かおりちゃんは、2人分の椅子を持ってきてくれて。私はお礼を言って、2人でそこに腰掛ける。
「なんでそう思ったの? 」
『...告白しないって決めたから、好きな気持ちを抑えなきゃーって思うんだけど...でもやっぱり、好きだなあって気持ちが出ちゃうの。みんな一生懸命やってるのに、そんな邪な気持ちでやるの、申し訳ないなぁって。』
「んー...。好きな感情で、マネージャーの仕事、手を抜いたの? 」
『え? 』
「手抜いてないでしょ? 」
『う、うん...。』
「合宿で舞衣ちゃんと初めて会ったけど、今年からマネージャーやるのに、凄く頑張っててかっこいいなって思ってたよ。よく気が利くし、もっと出来るようにならなきゃっていつも考えてるの、伝わってきた。」