第6章 夏合宿やるってよ
お昼休憩。
お夕ご飯はマネージャー同士で作るけど、お昼は各自の持ち寄り。
本当はマネージャーみんなで食べよう、みたいな話が少し出てたけど、試合時間だったりペナルティだったり片付けだったりで、各校終わる時間が微妙にズレていたので、お昼は各学校ごとに食べることになった。
お昼休憩の前に、記録のノートを見直して。
午後からの試合の順番を確認する。
音駒のみんなはもう食堂に移動して、ガランとした体育館。
梟谷の数人と烏野の数人が、早々にご飯を終えてバレーボールをうっている。
休憩中なのに。
まだまだ練習し足りないらしい。
「おーい。飯食う時間なくなるぞー。」
体育館のボードで試合順を確認している私に声をかけてくれたのは、黒尾くんだった。
『んー。待って、試合順だけ確認したら...』
「いやいや。頑張ってくれるのはちょーーーー有難いんだけど、流石に休憩しろって。午前もずっと動いてただろ? ほら行くぞ。」
黒尾くんは、さりげなく、私の肩を抱くようにして食堂の方向へと促した。
『わ、わかったから!! 行きます! 』
「よーし。試合順なら、後で俺が見とくから。」
そう言うと、またイタズラっぽい顔でニヤリと笑って。
私の肩をぽんぽんと軽く叩いて、腕が離れる。
一緒に登下校している時と同じくらいの間の距離。
今までも何度か一緒に帰ったり朝一緒に学校に向かったりしたし。
席も前後だし、私がマネージャーになってからはより話をする機会が増えた。
だけど、あんなに身体が近かったのは初めてだ。
びっくりしすぎて、まだ心臓が少しドキドキしている気がした。