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【アクナイ】滑稽な慈悲

第22章 晴れてこれで



「うわああああああ!!夢じゃなかった!アークナイツ!!アークナイツの世界にトリップしたってことだよね?!うわあああ!!これからどうなるんだろ!?」


…部屋は一つひとつが防音管理のはずだが、聞こえるということは相当喜んでいるのだろう。

きっと私も知っている世界に飛ばされていたらあんな喜び方をしたんだろう。だが、完全初見でとんでもない所に来てしまったという想いが強かった。

今はそうじゃないが…最悪だ、と思っていた。

咳払いをして、改めて部屋のドアに拳を作り、コンコンコンと叩いた。
部屋の主はすぐに出て来た。それもキラキラした顔で。…だが、私の顔を見てすぐにきょとんとした顔に戻った。


「おはよう、サナさん」

「あぁ、昨日の人!おはようございます!」


子供らしい笑顔が眩しい。若いなぁというのが第一印象だ。


「中入れてくれますか?」

「どうぞどうぞ!」


踏み入れた室内は、同じ内装だ。
だが、一日経ってもやはり匂いが気になる。私でもこんなに感じるということは彼らはもっと気になるだろう。


「ちょっと相談事がありまして」

「相談、ですか?…あ!どう見ても年上さんですので敬語なんかやめてください!さんもいらないです!」

「…うん、ありがとう」


良い子なのだろう。ただそれを無意識にやっているだけで。
とりあえず椅子に座り、自分の身分から話すことを決めた。

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