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【鬼滅の刃】夢の中で

第2章 帰郷


「、、、ッ!!」


アオイの顔が歪む。


「あっ!すまん!!」


焦って手を離したが、痛むのか?
アオイは俯いてしまった。


「大丈夫か?」


振り払われるかもしれない
そう思いながら伸ばした手は


スッと優しく柔らかな手に包まれた。


「、、、!」



その瞬間、言葉を失う。


「、、、ッ、大丈夫です」


アオイは額に汗を滲ませながら笑っていた。
俺の体温は一気に上がった。


ビリッ!


アオイの服を引っ張って、その肩を晒す。


「!!!な、何するんですか!?」

「ッ!!」

赤くなった肩に声を失う。


俺はどうしてこうなんだろう。


「何が、、、大丈夫だよ。お前がそうやって笑う時はだいたいなんか隠してるってもう分かってんだからな!」


気がつくと怒鳴っていた。
いや、もうこれは怒りとかじゃない。


何で俺は守りたいと思っているものを傷つける、、、?


「何でも言えって言っただろうが!!」


悲しくて、悔しくて、どうしようもなくて
叫んでいた。


分かってるんだ。
アオイが言わないことが悪いわけじゃねぇ。
俺がもっと、もっと気が付いてやれればそれで済むことだということも。
それなのに。




「こんなになって、、、笑ってんじゃねぇ!!」



俺がしていることはただの八つ当たりだ。



「、、、何でですか?私が笑ってたらおかしいんですか?」


突然、それまで笑っていたアオイの顔が歪んだ。


「しのぶ様のように笑えてないからですか?私なんかが笑ってても全然良くないからですか?しのぶ様みたいになりたいって思ったらいけないんですか!?」


「??」


アオイも叫んでいた。
今にも泣き出しそうな声で。
震える瞳で俺を睨んで。
だが、いきなりのことで俺の頭は追いつかない。



「は?何言ってんだ?しのぶ?何で急にそんなこと、、、俺はそんなこと一言も、、、」

「、、、。もう私は大丈夫ですから。私にこれ以上構わないで下さい」


戸惑う俺にアオイは踵を返し、そのまま走り去ってしまった。


「あっ!お、おいっ、、、!」

「、、、グスッ、、、」

「!!」


アオイのすすり泣く声に、俺は伸ばした手をそれ以上伸ばすことはできなかった。


「何なんだよ、、、」


どうして?


引っ込めた手の平をただ見つめて。
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