第17章 刀鍛冶の里-強襲

鋼鐵塚は尚もブツブツと何かを呟きながら刀を研ぎ続ける。


玉（こいつ！何という集中力！！
この玉壺に気づかぬ程の没頭！！）


玉壺は鋼鐵塚のあまりの集中にピキピキと青筋を立てる。


玉（きっ…気に喰わぬ！！
私とてこれ程集中したことはない！！
芸術家として負けている気がする！！）


そんな謎の対抗心から玉壺は先ほど鉄穴森に仕掛けた攻撃と同じように壺から金魚を出し、鋼鎧塚も切り裂いた。


鉄穴森は鋼鎧塚の邪魔をさせまいと必死に抵抗する。


鬼「ギィィィィ！！」


鉄「やめろ！！」


そして、怪我を負った鋼鎧塚の元へ駆け寄る。


鉄「鋼鎧塚さん！！」


パキ、と音がして鋼鐵塚のひょっとこの面が落ちた。


露わになった顔は傷が入り、血まみれになっている。


しかし、それでも鋼鐵塚は刀を研ぐ手を休めない。


これにはさすがの玉壺も驚いた。


玉（こっ…この男！！手を止めぬ！！）


鋼「これ程の刀に自分の名を刻まなかった理由。この一文字…この一念のみを込めて打った刀なんだ。ただ一つ、これだけを目的として打った刀。」


鉄「鋼鎧塚さん…。」