第48章 陽光差す刻
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杏(助けて、誰か…。不死川さん…せめて、傍に居てほしかったなぁ…。)
助けを求めてはいるが、諦めかけていたそのとき。
無「ゴフッ」
突然、無惨の苦しむ声が聞こえてきた。
それと同時に全身にかかっていた圧力が弱くなる。
『なに…!?』
驚きはしたが、好機を逃さぬよう必死に身体を動かし、出口を探す。
杏(誰かはわからないけど、誰かが無惨に攻撃してる。逃げ出すなら今だ。絶対に逃げる…!!)
しかし、無惨に吸収されかけていた身体は全ての感覚が鈍く、うまく動かすことができない。
杏(いやよ…こんなところで、こんな奴の中で死ぬなんて絶対に嫌…!!誰か…誰かいないの!?)
そう必死にもがいていると、何かに手が触れた。
『あ…』
弱い感覚だが、確かに感じる人間の手の温もり。
杏が感極まっていると、その手が素早く杏の手を掴んだ。
そして、その握られた手でその人を思い出す。
杏(あぁ…この傷だらけの、大きな手は………)
ギュッ、と躊躇うことなく握り返すと、その手は力強く杏の手を引いた。