第46章 想いの連鎖
意識のない杏は放物線を描きながら、伊黒を呼んだ声の主の方へと飛んでいく。
無「逃すか。」
そう呟いた無惨が杏へと触手を伸ばすも、両手で刀を振るうことのできる伊黒がその全てを斬り捨てる。
伊「あいつがいたら邪魔だからな。手は出させん。」
──ドサッ
そんな伊黒に無惨が舌打ちを漏らす傍らで伊黒を呼んだ声の主──時透が杏のキャッチに成功した。
時「っ…!!」
片腕がない状態のため安定感がなく、ふらつく時透。
しかし、杏をしっかりと抱えなおすと、すぐさまその場を離脱するため駆け出した。
背後から途轍もない殺気を感じるが、伊黒と炭治郎を信じてただひたすら走る。
時「杏さん!!」
走りながら声をかけるも、杏は力なく腕や足を垂らしたまま目を開けない。
自身の腕に伝う血の感触に時透は眉を顰める。
時(頭からの出血が酷い。止血する前に気を失ったのか。)
すでにかなりの出血をしているであろう杏の青白い顔に焦りながらもしのぶを探して懸命に走る。
時(まだ大丈夫だ。僕に使った造血剤…胡蝶さんが残りを持っているって杏さん言ってた。あれを使えば…!!)