第43章 きっといつか
目の前まで迫っていた無惨の腕は、彼らの攻撃により吹き飛んだ。
冨「…!」
──ドスッ
すると今度は、今しがた手放した刀が自身の足元へ飛んできた。
不「ボケッとすんじゃねェ!!ブチ殺すぞォオ!!」
相変わらずの言葉。
それでも、皆が自分を助けてくれた。
まだ、自分が戦えると信じてくれているからこそ、自らの体力を削ってでも彼らは助けてくれた。
その想いが、冨岡を動かす。
地面へ刺さった刀を抜き、そのまま攻撃を放った。
冨「流流舞い!!」
冨(まだやれる!!しっかりしろ!!最期まで…水柱として恥じぬ戦いを!!)
けれど、想いとは裏腹にどんどん動きが鈍くなる体。
鬼(予想以上に粘ってはいるが、もう間も無く全員が潰れる。夜明けまで、1時間14分。細胞が破壊され、死ぬまでもう5分とかかるまい。踠いても、踠いても、結局終わる。人間は…。)
そんな無惨の思惑通り、毒が彼らの体を蝕んでいく。
悲(まずい…。夜明けまでもたない…。)
自身の限界に、焦りを募らせる悲鳴嶼。
不(首だけになっても喰らいつく…。)
どんなに自身の体が朽ち果てようとも、無惨を取り逃がさないという気持ちで限界の体を動かす不死川。