第41章 復活
炭(足手纏いになるな!!義勇さんの命まで危険にさらすな!!)
そんな思いから冨岡の腕を離れた炭治郎だったが手負いの炭治郎を狙い、無惨の攻撃が執拗に炭治郎へ牙を向く。
──ギャギャギャッ
けれど、炭治郎も負けじと攻撃を躱していく。
炭(片目を潰されたからなんだ!!俺は匂いで物を見ているんだ!!嗅げ!!嗅ぎ分けろ、透き通る世界を…!!)
──カハッ
けれど、相手は鬼の始祖である鬼舞辻無惨。
頭では“嗅ぎ分けろ”と思っていても、そう簡単にはいかない。
炭(攻撃が…速すぎて嗅げない!息が、続かない!!)
無惨の攻撃を避ける事に精一杯で、更に何かをしようと思っても体が思考に追い付いて来てくれない。
そんな厄介さを実感した時だった。
──ガンッ
頭部へ物凄い衝撃が押し寄せ、クラリと体の体勢を崩してしまった。
直ぐにその衝撃の理由が分かった。
炭(壁っ…!!しまった、周りが全然見えていなかっ…)
冨「炭治郎ーーーー!!」
体勢を崩す炭治郎に気づいた冨岡が真っ青になりながら叫ぶ。
勿論、好機とばかりに無惨の攻撃が炭治郎目掛けて放たれる。
誰から見ても最悪な状況。
炭(ああっ!!駄目だ!!)
流石の炭治郎でさえも、己の最期を覚悟したその時──…