第3章 庭園シークレット! エース裏
ハーツラビュル寮。ハートの女王を敬愛して創設された寮。自慢はこの薔薇の迷路。行き届いた手入れは下級生達の努力の賜物ともう一つ。
『メグ、いつも申し訳ないね。』
「いいえ、寮の手入れも仕事のうちだからねー」
『君が手入れをした後は特に綺麗に見えるんだ。ありがとう』
「今日も頑張って整えておきますねー」
クロウリーの秘書兼事務員というパシリのような役職で薔薇の迷路の手入れをしている。とにかく広いのとたくさんあるので毎日はやはり無理なので週に2回手入れに来ているのだ。
『メグ、そこ終わったら休憩にしないか?新作のタルトがあるんだ』
「食べるー!終わったら行くねー」
『今日のタルトもマジカメ映え間違いなしだったかんねー、準備して待ってるよーん』
「あーい」
返事をしながら作業を進める。粗方終わり、全体を確認して道具をまとめる。
「よし、こんなもんかな。道具は後で帰りがけに持ってくから端に寄せてと」
お茶会へ向かおうとすると腕を引っ張られ迷路の影に引きずり込まれた。引っ張られた勢いで尻もちをつく。何事かと後ろを見るとエースが口元に指を立てていたので思わず小声で話す。
「なに、エースか。ビックリするでしょ?」
『悪い悪い。でもさ、メグと2人きりになるなんてそうそうねーじゃん?だからついさ』
「つい、で人を物陰に引きずり込まないの。それよりお茶会行くよ?」
メグが立とうとするとまた座らされる。
『だからー、2人きりになれたのに行かせるわけないだろ?』
「いやいや、わたしはトレイの新作タルトを食べに行かなきゃ行けないのー」
『俺と新作タルトどっちが大事なんだよー』
「新作タルト」
迷わずむしろ食い気味に答えたメグを見て項垂れるエース。
『わかった。じゃあ実力行使な』
「やだー、新作タルトー!」
迷路の物陰だったために後ろに逃げ道はない。あるとすればエースの向こう側。しかしこの状況で抜け出せる保証はない。メグはどうにか逃げる方法を考える。
『あとで食べさせてやるから、今はこっち』
「ちょ、ん!……ぁ…ん」
両手を拘束されて唇が重なる。下唇を舐めたり甘噛みされると無意識に開いていくメグの隙を見て舌が入り込んでいく。