第3章 悪夢ノ始マリ

「ですが、それでもと言うなら"紅狼家"に行って頂きます。」



『紅狼、家？ワタシの名前？』



「ええ、恐らく…アナタの本当の家族っス。」



『……おかさんとおとさんじゃない、おかさんとおとさん…？』



「ハイ。行きますね？」



『……行かない。』



壊牙の発言に3人は瞠目する



「行かぬと言うのか？何故じゃ」



『ワタシのおかさんは"狼"だけでいいから。』





「……なら、行かせられません。」



「喜助」



「向かう流魂街次第では過酷な道になります。そんな所に送り出せやしません。」



「落ち着け喜助。」



「でもッ、夜一さん……ッ」



「おぬしだけが＃NAME1＃を愛してる訳でない……。それにこやつが望むなら送り出すのが親の務めじゃ。残り時間を楽しむべきでは無いのか？」



「………」



『…ありがとう、夜一さん。』