第3章 席替え
《翔side》
俺は今年から高校になった。
昔からイケメンだって言われ続けてきたことあって、
恋愛には苦労したことない。
中学の頃は黙ってても告白され、気が向いたら付き合う
ってな感じで、まぁまぁ楽しく過ごしてた。
でも、付き合っても本気に好きになることもなく、
一生好きな人できないのかなって悩んでたんだけど、
そんな悩みは入学式の日にあっという間に消え去った。
俺は一目惚れしたんだ。
しかも男に…
自分でもびっくりしたよ。そりゃ男だもん。
でも、あの時、
いつも通り女子に囲まれてた時、柔らかい視線を感じて
視線を感じる方を見たら、いたんだ。
俺の天使が………!!
ふわふわした髪の毛に、可愛らしい顔
どこかあどけなさを感じさせるふっくらしたほっぺ
とにかく、かまいたくなるような、そんな可愛らしさがあって。
こんな感情は初めてだった。
しかも神様のお導きで同じクラスになれるなんて…
これはもう、付き合えっていうことだよな!
「翔ちゃんって案外ロマンチストなんだね!」
「で、今はどんな調子なんだよ?」
こいつらは、俺の良き?相談相手であり親友の潤と雅紀。
中学から一緒でノリが合う俺たちは今もずっと一緒にいる。
「どうって言われてもさ…アピールしてるはずなんだけど…」
「翔ちゃんがそんな弱気なのちょーレアだね!」
「何嬉しそうにしてんだよ雅紀。」
だってー。なんて言いながらヘラヘラ笑ってる雅紀を見てたら、
どんどん自信が無くなっていく。
「はぁー」
「翔くんらしくないよ。大丈夫だって」
「そーだよ!学校の王子にアプローチされて嬉しくない人なんていないよ!」
「でも、確かにおーちゃんかわいーよね!」
「マイナスイオンでも放出してるのかな?」
「そうなんだよ!めちゃくちゃ可愛いんだよ!」
「でもちょっと鈍感なところがあんだよな…」
「例えば?」