第1章 * in the bed room
「日々人?」
わたしを抱きしめたまま、日々人が寝てしまった。
しかも、わたしの中には日々人のが、まだ入ったままで。
そーっと体を押すけど、筋肉質で重い体はビクともしない。
起きちゃうかもしれないけど、両手で思い切り横に押し除けると、「ん〜…。」と眉間にシワを寄せて、不満げな顔で抱きついてくる。
でも体の位置がズレたから、日々人のが私から抜ける。
ズルリと音がしそうな、生々しい感触に1人で赤面してしまう。
日々人を見ると、少し口を開けて、無防備な顔で寝ている。
その無防備さが嬉しくて、キスをする。
汗ばんだ体が気持ち悪くて、起き上がろうとしても、ガッチリと抱きしめられていて、動けない。
仕方なく、日々人にまだついていたゴムを手探りで取って、なんとかゴミ箱に捨てて、よごれをティッシュで拭う。
シャワーはまた明日。
「おやすみ。」
軽く頬にキスして、日々人の腕の中に顔を埋め、日々人の匂いを嗅ぐと、心地よい疲労感にすぐに眠気がやってきて、わたしは目を閉じた。
fin