第2章 踏み出せ第1歩
「いや〜まさか救助活動Pがあるなんて知らんかったよ〜」
『まさかまさかって感じだったね』
プレゼント・マイクへの直談判を終えた後、言と麗日は一緒に会場を後にしてオレンジ色に染る空の下、2人でのんびりと帰っていた。
あの後プレゼント・マイクから語られたのは”救助活動P”の事だった。受験者には事前に、仮想ヴィランを”行動不能にした”時のポイントだけとの説明であったが、実は教師陣が裏で各自審査性での救助活動ポイントをつけていたとのことらしい。なのでプレゼント・マイクは言葉を濁してはいたが、あの緑髪の男の子は合格していると言う事だろう。
「でもマイク先生が言うにはあのもさもさの人受かってるぽくて良かった!」
麗日も何となくは気がついていたのか緑髪の少年の話をしながら、両手を合わせて自分の事のように笑顔を浮かべて喜ぶ。
『本当に良かったよね』
言もそんな麗日の姿を見て、緑髪の人が受かっていると言う事が自分の事のように嬉しくなりつい表情が緩んでしまう。
「てか!言ちゃんもあのもさもさの人に救けられてたの?」
『あ〜…あれ実は咄嗟に言った嘘なの』
言は頬を掻きながらそう答える。
「え?!嘘なん!!」
『実は…』
言は麗日が余りにも驚くので、少し恥ずかしくなってしまい両手で頬を抑える。
「ほぇ〜言ちゃんて見かけによらず意外と肝座ってんやね!まさか雄英の教師に嘘つくなんて…」
『まぁ、あの時は必死だったからね。麗日さんが一生懸命先生に直談判してる姿見たら私も何とかしなきゃ!って思ってね』
麗日が呆気にとられている隣で言は自分の右手をギュッと強く握りそう話した。
「そっか!!」
『それにね私…なんとなく、なんとなくだけどね!彼はヒーローになるべき人だって思っているの』
麗日は私のその言葉に少しパチリと目を見開き言の話を黙って聞いていた。
『彼が麗日さんを助けた時ね、ヒーローが来たっ!!て感じがしたの。とてもカッコよかったわ』
「うん!!私もそう思うし思った!あの人本当に受かってるとええな〜〜!」
『ふふ…そうだね』
言は麗日が肘から下の腕を上下に振る姿を見て微笑ましくなりつい笑みを零す。