第44章 ホークス オリジン
読んでも振り向かない。
聞こえない振り
エレベーターに乗り込めば、2人の空間で引き寄せられてキスをする
優しく触れるだけのキス
「好きって言ってよ」
なぜか今まで我慢していた言葉がポツリと唇から出ていた
ホークスは少しだけ考えて視線を外してから
「言ったら…」
と言葉を濁した。
昨日から感じていた違和感に不安が重なる
エレベーターが上に上がるにつれてその不安に押しつぶされそうになる。あまりの不安にホークスの服を握る手がなぜか震える。
「凛…ちゃん?」
「お願い…ホークス、今だけで良いから」
頬に触れて手を握る
「今だけ?」
「うん…」
本当は今だけは嫌だった。
それでも、言って欲しかった
その言葉が有ればなんでも耐えれる気がした
この不安だって気のせいなのだから
「凛ちゃん…好きだよ」
その甘い声に心が満たされる。
ギュッと抱きついて手を離す
「ありがとう…ワガママ言ってごめんね?変だよね私…なんか急に怖くなっちゃった!」
エレベーターが止まりとびらが開く
廊下を歩けば一際豪華な扉の前につく
一言も会話をしなかった。
“好き”と言ってからホークスは全く喋らなかった。
カードキーを差し込み鍵が開く音がする。
扉を開けるホークス。
空いているてを腰に回されて中に押し込まれた。
「ごめんね…凛ちゃん」
入る瞬間ホークスは言った。
バタンと大きな音を立てて扉がしまる。