第44章 ホークス オリジン
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スマホから間抜けな音がした。
画面を見るとホークスのSNS更新を知らせるものだった
“今日は大人な撮影です。キスマークと傷痕つけられました~。オレのオーラピンクらしいよ?いつも見てくれてるキミのせいかな?”
匂わせなのかそうじゃないのか…
私の心を乱すのは必ずホークスだ
感情が昂って独り言が溢れ出す
「どうしよう!!私が付けたキスマークだよねッ…嘘…どうしよう…ああ、帰って来たら今日の事怒ろうって思ってたのに…嬉しくて絶対怒れないよ…」
そういうとクスクスと笑う声が聞こえてリビングを隔てる扉に視線を向けた。
うっすらと人のシルエットが見えて開ければホークスが立っていた。
恥ずかしくて、顔は真っ赤になっていて言いたいことは山ほど有るのに何一つ上手く言葉に出来なかった。
もう、全部がどうでも良かった。
手を伸ばして抱きついて
「帰ってるなら言ってよ!!…朝のこと怒ってるんだから」
そう伝えるとホークスは笑い
「凛ちゃん行動と言葉があってないよ?」
と声をかけて来た。思わず笑顔になってしまう…ホークスの言う通りだった嬉しくて抱きついた手をこのままずっと離したくなかった。
その感情をココロにしまい体を離す
「ただいま」
「おかえりなさい」
そのやりとりがなんだかむず痒い
ホークスが紙袋を私に渡してくる
「プレゼント…です。それ着てオレとデートしてくれませんか?」
その言葉に顔が真っ赤になってしまう。
ホークスも顔がほんのりと赤くなっている気がした
「はい!よろこんでッ」
そう言って、紙袋を持ち我が家のように寝室に走る。
紙袋の中身を出せば、中には包装された箱が入っていた。包みを開けばまた紙が巻かれている
「(マトリョシカみたい…)」
そんな、子供じみた考えに至るのが大人になれていない証拠だった…
紙を広げるとそこにはワインレッドの布が畳まれていた。
手で持ち広げれば、フィッシュテールの形をしたオフショルダーワンピースだった。
服の底から靴がコロリと落ちて金色のヒールにワインレッドのワンピース…
ホークスのカラーリングと同じだった。