第44章 ホークス オリジン
雄英の会議室で凛ちゃんを抱きしめたあと思わず出た言葉に恥ずかしくなった。
それを誤魔化すように振り向かず会議室を後にした
だって、オレのそんな顔見たら期待しちゃうでしょ?
荼毘に凛ちゃんを連れ出せと言われて
手筈を整えたはずなのに
校長の言葉に何も言えなくなってしまって
そんなオレを助けるように凛ちゃんは自ら地獄へ飛び込んでくれた。
女子高校生達からキャーキャー言われてホールまで歩いて行く。
「(イレイザー、そろそろ行動起こすころかな…どう出てくるかな?…凛ちゃんオレの事大好きだから簡単にはいかないよ?)」
そう思って、凛ちゃんにつけた羽に意識を集中させる。
『凛…もう、あいつを追いかかるのをやめておけ…』
へー…2人の時は凛で呼んでるんだ
大人はやっぱり違うな…
『なんで…ですか?』
『もう…お前が傷つく姿を見たくない』
オレについて行けば傷つくってやっぱり感いいな…けど、凛ちゃんは否定するよね…。オレが初恋って言ってたからイレイザーの事好きだったの気がついてないようだし…
『私…林間の時、部屋が分からなくて廊下を引き返したんです。そこで、相澤先生がピクシーボブに“合理的虚偽”って言った言葉を聞きました。…私、相澤先生のこと信じてました。もしかしたら先生の中で私は特別なんじゃないかって…そんなふうに悩んでました。捕まっていた時もしている時も…先生の事ばっかり考えてました…ずっと…けど、私、今は…あれ…私、ホー』
この言葉は聞きたくなかったな
オレが荼毘に君を渡したら…凛ちゃんはイレイザーのほうに行ってしまうかもって…不安になりそうだよ
『凛…言うな。分かってる…分かっていて止めている。確かにオレはピクシーボブに“合理的虚偽”と言った。けど、決してお前のことを裏切った訳じゃない…もう1度…オレを見ろ…その贋の恋心から目を覚まさせてやる』
その言葉を聞いて、暗い感情に支配された。
「(贋の恋心なんて誰が決めた…)」